いぬにあしはなんぼんあるか、まちがえると、ひどく殴られます いぬは、 四本か、その日によって、ちがうから。 三本で殴られて 五本とこたえ、けりとばされて、 よんほん、ごほん、 痛みがひどく、わたしは、もうなんぼんやら、 わからんようになっとるんよ…

たいせつにしていたのわたしの、お人形さま 夜更けにつきひかりあびて。 よなよな、 どこかに、 おでかけをするの 汚れた血をあびて、お人形さまは、明け方かえるの わたしはなんしょ、 かみすいて がらからくるまが うるさいの。 わたしのだいじな、 お人形…

みたこともない奇妙な色彩の月がこわくてアクセルをふみこんだ 自室の冷蔵庫をあけると べったりとひらたい 件の月があたしのてやうでやのどに からみつくもので フライパンでりゃんめんほっこりやいたのですが食べきれないので 隣のへやにおすそわけしたい…

ぼろぼろの風体にて山野歩き さまよえば 匂い袋首より下げる 坊主がしたしげにあたしに近寄り 肩首に手を回ししあわせになれる術をおぬしは しらぬだけと説く 夜更け。 忍び寄り手慰みはいよる、 坊主の股間、 リョウの足を切断す 短刀にて、動き封じ 縛り上…

しずかなあさぎいろした かげがまた しっかりと しかし しずかに いしにはさまれて。 いたくてくるしくて、 そうしてどうにもならなくても。微かなひかりと つめたいみずのしずくが かさかさなくちびるに したたりをあたえひとときのうるおいをもたらした、 …